溺愛トレード

 そうだった。どうして思い出さなかったんだろう……とびきり素敵な隣の島のお兄さんの記憶を。



 実乃璃が私を島に連れ出すのは決まって夏休みだった。


「のーあぁちゃん、あーそーぼぉっ」とインターホンも鳴らさずにやってきて、わくわくした顔で玄関先にやってくる実乃璃は、いつもお姫様みたいな服装をしていた。


「いいけど、今日はどこ行くの?」

「島だよっ!」 

「お母さんに聞いてくる」


 母親が「あんたは、ただで色んな所に行けていいわね。いってらっしゃい」と私に言う。

 家を出ると、目の前には大きな車が停まっていて黒い服の人がドアを開けてくれるんだ。

 近所のおばちゃんが「乃亜ちゃんが誘拐されたわ!」なんて騒ぎを起こしてくれたこともある。


 そのうち近所でも実乃璃のことが知れ渡り、誘拐だと通報してくれる人は誰もいなくなった。



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