溺愛トレード

「あれ? 文ちゃんだ。いらっしゃーい」


「え…………乃亜?」



 ま、ま、ま、待ってよ……

 大丈夫。一度深呼吸してみよう。

 吸って、吐いて。もう一度、吸って、吐いて。


 座椅子があって、徹平が座っていて、その上に対面座りしている実乃璃がいて、実乃璃の手はしっかりと徹平の首に巻きついていて……


 どう見ても、実乃璃はシャワーを浴びたてのようで……キャミソールと下着しかつけてなくて。


 徹平は、普段から部屋にいる時はTシャツにトランク姿だけど、今日もそれなわけで……



「の……乃亜、誤解するなよ? まだ、やってないから!」


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