溺愛トレード

「ん、じゃないでしょう! あのね、何か勘違いしてるみたいだから言わせていただきますけど! トレードしたからって徹平と実乃璃に身体の関係ができちゃったら、トレード後に何かと気まずくなるでしょう?

 だいたいね、私はトレードなんて最初から乗り気じゃないし! こんなこと今すぐ辞めたいのっ!」

 実乃璃は、「ああ、紅茶美味しいわぁ」と幸せそうにため息をつくと小さく欠伸した。


「ねえ、徹平。寝室はどこなの?」

「え……ここだけど。ワンルームだから、寝室兼リビング兼ダイニング」


 目をまん丸くして、「まあ! ワイルドね。キャンプみたい!」と驚いた実乃璃。


「人の話、聞きなさいよ!」

「文ちゃん、そんなに熱くならないで。あまり怒ってばかりいると、文ちゃんじゃなくて、プンちゃん、て呼ぼうかしら?」


 徹平が、ぷ、と吹き出した。

 もう、やだぁ…………実乃璃は全然わかってない。


「それで、プンちゃん。瀧澤さん、どうだった?」

「…………ああ、うん」

「彼、素敵でしょう?」






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