溺愛トレード

 桐谷さんは「なるほど」と深く頷いた。


「私も瀧澤さんと過ごしてみて、実乃璃の結婚相手としてこんな素晴らしい男性は他にいないと思っています。

 偉そうなこと言ってすみません……」


「かまいませんよ、私たちの大切な豊様をそうおっしゃっていただけると、とても嬉しいです」


 桐谷さんは本当に嬉しそうに目の横に皺を寄せて笑った。


「それに安心いたしました。豊様はあなたのお眼鏡に適おうと、頑張っておられるのですね。わかりました、それなら私たち使用人も全力でお仕えいたします」


「あ、いえ……そんな全力使われても困るんですけど…………」


「どうか、瀧澤家と豊様の幸せのためにここは一つお力添えくださいますよう、よろしくお願いいたします」


「は、はい、でごさる」


< 56 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop