溺愛トレード
「プロトコール」徹平も小声で返事した。
プロトコールか…………実乃璃みたいなお嬢様や、瀧澤さんみたいな御曹司様がこぞってハメを外すために用意されたようなクラブだ。
国賓を招くようなダンスホールには色んな国籍の金持ちが集まり、豪華な内装や調度品は全て本物、都心を一望できる高層階のプールサイドでは美味しいカクテルに舌鼓することができる。
一見さんお断り、庶民は立ち入り禁止、遊び方を知らない成金は一番嫌がられるという場所だ。
徹平のビールがきたので、三人でグラスをぶつける。
「かんぱーい」
プロトコールにいる実乃璃が、一人でいるはずがない。きっと、徹平に連絡がいったということは徹平にエスコート役をさせようとしたんだ。だけど、徹平がここにいるってことは、違う男に……
あああ! もう!
瀧澤さんが好きなら、大人しく瀧澤さんと付き合ってればいいのに!
彼氏トレードなんて面倒くさいことするから、こんなにややこしい!
瀧澤さんをプロトコールに連れて行くわけにいかないし……やっぱり手紙を渡す作戦でいくしかない。