溺愛トレード
強引に腕を掴まれて、為す術なく木の桟橋に上陸した。
湾になっていて輝くほど真っ白な砂浜、その先には木々が覆い茂り開発されている印象はない。
砂に足を取られながら、瀧澤さんの腕にすがりつく。
「ごめん、そのサンダル歩き辛いかな? 僕の好みで選んでしまったから」
たしかに紐みたいのが巻きついたサンダルは、デザインは最高だけど歩き辛い。
すると、瀧澤さんは私をひょいっと持ち上げてしまった。
こ、こ、こ、これ! お姫様抱っことか、世間で言われてる行為なのではないでしょうか?
「ギャーッ! もうなんなんですかっ!」
「別荘まで砂の道しかないから、少しの辛抱だよ」
瀧澤さんのサングラスに反射された自分の顔が真っ赤に色づいてるのがわかるから、余計に恥ずかしい。
しかも、寝起きのスッピンだ。
徹平に抱かれてシャワーも浴びてない体を……誰が着替えさせて、瀧澤さん好みのサンダルを履かせたっていうんだ!
穴があったらウツボ並みに身を潜めたい気分。岩陰からガブッと噛みついてやるんだから!