幼なじみと一途な恋愛
「どいて」
俺の言葉に、男子が俺を見る。
「なんだよ、白石はどっか行ってくれ!」
「そーだ!モテるやつが来るな!」
いやいや。
「悪いけど、多分俺に用があるから、そいつ」
そう言ったんだけど。
「調子に乗んなっ!」
「女がみんな自分のもんだと思うなよ!」
……話の通じねぇ奴らだな。
どうしようかと思っていた時。
「と、うや……?」
少し涙目で震えた、まりあの声が聞こえた。
それと同時に男子たちがまりあに道を開けていく。
そして、やっと見えたまりあの顔は、今にも泣き出しそうな顔で。
「燈弥……っ」
まりあは俺を見つけて安心したのか、俺に抱きついてくるなり、泣き出した。
それを見たクラスの奴らが、どよめきの声をあげた。
その様子を気に留めることなく、俺はまりあの頭を撫でてやった。