【B】(第一夜完結)Love around ※第二夜準備中



「もうすぐファンデーションがなくなるの。
 後、化粧水も買い足したくて」

「かしこまりました。
 ファンデーションは何時ものお品で宜しいですか?」

「うん。
 いつものでお願い。

 アレ使い始めると、もう他のが伸びが気に入らない。
 凄く自然体に仕上げてくれるよね」

「そう言っていただけると私共も嬉しいです。
 私自身も愛用して気に入っているので、
 塔矢さまにもおすすめさせて頂いたんですよ。

 それで化粧水はどうしましょう?」

「化粧水も今のやつはそのまま買い足しで、
 もう一つは美白効果があるものが欲しいかな」

「美白でございますね。
 それでしたら、同じシリーズのこちらはいかがでしょうか?」


そう言って進められた商品の使い心地を掌につけて貰って
確かめると即、購入を決めた。


「後、口紅とアイシャドウと。
 新色見せて貰っていい?」


飯塚さんと会話を弾ませながら、
飯塚さんにお肌の水分量チェックをして貰ってフェイスケアを頼んで、
気になった商品を購入し化粧品エリアを離れるた。


約二時間ほど居座っちゃった。



戦利品の入った紙袋をぶら下げながら、
今度はそのままエスカレーターでレディ-ス服のエリアへと向かう。


するとそこで、会いたくない存在の姿を見つけた。


堺総合病院の若先生・堺泰典と親友だった香穂。


私が堺先生に好意を寄せているのを知りながら、
私の目の前で、先生と体を繋げて睦みあった信じられない存在。



慌てて顔を見せないように俯いて、逃げようとしたけれど
声を遠くからかけられて、二人が近づいてくる。


逃げたいのに、何かに縛り付けられたみたいに硬直してしまった体は
その場から動くことが出来なくなってた。



「李玖、久しぶり。
 ここに買い物来てたら、声かけてくれたらいいのに?」


親しげに、何事もなかったように話かけてくる香穂の神経がわかんない。
そのままただ黙っていると、香穂は何事なかったように言葉を続ける。



「李玖ったら、泰典先生のこと好きだったんですよ」



えっ?何、突然言い出すの?
先生には今は貴方が居て、アナタにとっても私が居なくなって喜んでたんでしょ。

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