君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「おめでとうございます」


そう産婦人科の先生に言われた時、あたしは苦笑いをした。




あの時の悪夢だけが、頭の中を駆け巡っていた。




病院を出ると、真夏の暑さであたしは目を細め……



妊娠の報告を誰にもする事なく、家の方向と逆へと向かった。






愛と電車に揺られながら、あたし愛を抱っこし窓からずっと空を見続けた。





「わぁ~っ!!!!」


愛のびっくりした声に、あたしは愛を見つめ、心から笑ってた。





懐かしい景色があたしの心の中の汚い物全てを消し去ってくれるような……





心地良い風がそのまま何処かに連れ去ってくれるような……






静かに目を閉じると……そんな気がした。




「綺麗でしょ……?愛っ………」



「うん!!きれいっママっ!!」




そう言いながら愛は小さな体で歩きだした。






「翼っ……来ちゃったよ」




そう言いながら、あたしは海を見つめた。



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