君の隣で~☆星空☆続編~【完】

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波の音があたしの心を穏やかにする


凄く寒いはずなのに


心地よい、翼のいる海――


「翼……、10年経ったんだね」



あの頃……



翼と一緒に座ってた砂浜に腰を下ろした



「はい、カスミソウ……綺麗でしょ!!』



車の中に隠し買っておいた沢山のカスミソウを翼が座っていた場所に置いた。





……――カスミソウ――……



「なぁ?流奈は花で何が好き?」



「薔薇か、桜かなぁ…?」


「えっ……」



「何?」



「差がありすぎじゃねぇ~か~?」



「差…って?」



「薔薇は、きつい感じで桜は優しい感じがする」




「う~ん、言われればそうかもしれない」




「だろ?」



「じゃぁ、翼は?」



「カスミソウかな!!」



「カスミソウって、あの花とかに付いてくるやつでしょ?」



「だからだよ…」



「ん………?」




「本当はさ、カスミソウだけでも綺麗なのに、いつも脇役なんだよな……」




「そう言われればそうだよね…?」



「だろ?カスミソウだけが沢山あったら多分、どの花も勝てないよ…」



「ひかえめな花だね……」



「だろ?だから俺カスミソウが好きだなぁ……」
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