君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「ママ、どうしたの?」
「ママぁ……」



気が付いたら愛と千夏があたしの傍に寄り添い、不思議そうにあたしの顔を覗き込んだ




「あ……ううん、なんでもないよ!」



きっと、これほどに上手く笑えなかった事はなかっただろう。



あたしは愛と千夏に笑いかけながら



封筒をバッグにしのばせた。



「よぉ~し!ご飯作らなきゃ!!」



こんな時でさえ、空回りながらも元気な自分に少し腹を立った




それでも頭から消えない



夢物語みたいな話し



翼から手紙が届くはずがない……



こんな純愛ドラマみたいなシナリオ通りなんかに……



いくわけがない……。









「行ってきます!!」




「気をつけてな!」



「ばいば~い!」



「早く帰って来てね!」




今日は仕事納めの日。



でも、翼の命日――。



あたしは、仕事と嘘を付いて家を出た




いつもなら振り返り、手を振るあたしも……



少しだけ後ろめたさがあり振り向けずに




前だけを向いて、ひたすら歩き始めた。








翼のいる海へ………。





差出人“翼”からの手紙が入ったバッグを大事に抱えながら、




少し雪が溶け、


歩きにくくなった地面を早歩きで歩き始めた
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