やっぱり好き

目が合う距離は

それからずっと私は言えないままでいた。

「はぁー・・・・・」

やっぱりモヤモヤした気持ちは消えなくて。

帰り道で会っても話しかけることはできなかった。

このままずっと言えないのだろうか・・・・

もう後悔するしかないのかな・・・・・

私が机に伏せていると。

「はい。じゃあ次は体育だからこれで終わる」

担任の先生の声と同時にみんな起立する。

慌てて私も起立して号令をした。

「次はプールだね。真奈入る?」

「ぁー私は入らないよ。入るわけがない笑」

「だよねー」

友達と話すときはあくまで作り笑い。

そうしておけば少しでも明るくなれるかな・・・・・

なんて。

体操服に着替えてプールの授業にいく。

「えー見学者の人は掃除をしてください」

来て早々体育の先生に言われ、私は友達と下の階で掃除をしに行った。

「そーいえばここから教室見えるよねー」

「ぁーうん。」

友達に言われ、私は3Rの教室を見た。

勉強してる・・・・・。

って。当たり前か。

ちゃんと真面目にしてるぢゃん。

そんなことを思いながらブラシで床をこすっていると。

「真奈!」

「ん?」

「ゎっ!!!」

突然友達に水をかけられた。

「もうーーー!なにしてくれるんよーーーー」

私は笑いながら仕返しをした。

しばらく、私は友達と水の掛け合いをして遊んでいた。

「ぁーあ。濡れちゃったよ笑」

「ざまぁー」

「ひどっ!」

そんなことを話しながらふと、3Rの教室をみる。

あ・・・・・

目線の先には俊也がいて、

俊也はこっちを向いていた。

何メートルも離れているこの距離から・・・・

目が合ってしまった。

でも、私はすぐに目を逸らした。

切ない気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいいっぱいでとてもぢゃないけど。見ることが

できなかった。

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