囚われた、あなたの腕の下。

そうか……電話、してるから……。

すると、透は道の脇に車を止めた。

本格的に頭がグラグラしてきた。

目の前のダッシュボードに、頭を預けて下を見る。
視点が、揺れる。


「うん。愛理なら、もうココにいるから」


その言葉に、目がカッとなる。

え、何?なんの話し?

目眩が激しいけど、心臓がバクバクと音を立てる、嫌な汗が出てきて、顔があげられない。

すると突然、透はあたしに何かを握らせた。

それは……


あたしの……携帯電話。
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