囚われた、あなたの腕の下。

些細な抵抗しか出来ない自分に、泣けてくる。

そんなあたしの無力を、証明するように、透はあたしの首筋に顔を埋めてきた。


「ひぃあっ!!あ……やぁぁっ」


耳に唇を寄せられ、生暖かい感触に、背筋からゾワリときた。


「ひっ!!」

「相変わらず、耳、弱いね」


透が、クスクスと笑う。

あたしは透と1度だけ身体を重ねている。

付き合って、3ヶ月。

そう、あたしと透が共に時間を有したのは、たった3ヶ月。

ただ、その時の透はすごく優しかった。

その後に、透の浮気が発覚さえしなければ……

あのままで居られた。

なんで?どうしてこんな事になってしまったのだろう?


「考え事?余裕なんだ」
< 51 / 58 >

この作品をシェア

pagetop