囚われた、あなたの腕の下。

目を見開いた彼が、うなじを隠す。


「掻いたのかな……」

「いいの。透は、カッコイイし、周りがほっておかないのもわかる。だけど……浮気だけは……許せない」


大好きな透の指が、唇が、他の誰かに、愛を囁いた?触れたの?

それだけで、気が狂ってしまいそう。


「愛理、ちが……話しを聞いて」

「何を言っても、もう遅いのっ!透の事、好きなうちに別れたい!」

「愛理……落ち着いて」

「さよ……なら」


それだけ、言い残して……あたしは、透の前を去った。

その日のうちに、携帯を替え、連絡もとれないようにした。

でないと、未練が残るから。

もう、涙も出なかった。

バイバイ……透。


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