真夜中に口笛が聞こえる

あらすじ(ネタバレ)

 事件の一年半後、ある隔離施設室で炎が上がる。ベッドの上でのたうちまわる側で、一人の女性が立っていた。

 一部上場企業に勤める高崎信一郎は、妻の美咲、娘の美佳と共に、公園に接する新居に移り住んだ。

 以前からの唯一の住人、白河に異様さを感じたものの、新生活に期待を寄せる家族。
 しかし、粗大ごみの山、猫の死体、植物の侵入など、不安な毎日を送るようになる。

 そんな時、新たに寺嶋家が隣人として引っ越してくる。さっそく寺嶋時子と美咲を中心に妻同士の交流が始まったのだが、時子のひとり息子の勇馬が、白河が公園に植えた薔薇で怪我をする。子供が遊ぶ公園にトゲのある植物が植えてあることに不満な時子は、花壇を蹴る。
 翌日、その薔薇が消え、返して下さいと書かれた白河のメッセージが残されていた。
 ほくそ笑む時子だったが、ほどなく可愛がっていた飼い犬が惨殺される。白河の仕業だと激高した時子は、夫とその部下を使って話を付けに行くと息巻く。

 しかし、夫の浮気が発覚し、寺嶋家は崩壊する。寺嶋家が去り、また高崎家は孤立感を深める。
< 92 / 96 >

この作品をシェア

pagetop