甘いキスは放課後に

キスを望む




「恋でしょ!」


「…………は?」


ランチタイム。4時間目の授業が終わるなり、紗恵は、全校朝会から様子がおかしいと、私を連れ出した。


人差し指をぴ、と伸ばし、訳知り顔で私を見る紗恵。私は、唐突の言葉に口を開けてしまった。まったく、食事中だというのに。


「だーかーら!それは恋でしょ!って言ってんの」


私の反応が不満だったのか、紗恵はもう一度同じ動作をしてみせる。いやいや、何度言っても変わらないでしょ。可愛いのはわかったから、指を仕舞いなさい指を。


「その顔は、全然私の話を聞いてないみたいね」


今度こそ紗恵は諦めて、呆れたようにため息をついた。呆れられる理由が知りたい。


「当然。それより、ここ保健室」


そうなのだ。私達は今なぜか保健室で昼食をとっている。その理由も知りたい。なんせ、何も説明されずに紗恵に引きずられて来たのだから。



 
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