片恋綴
「想い方なんて、人それぞれなんすから、考えちゃ駄目です。それでいいって言ってんだし、嫌なら離れていきますよ」
それが正論なのか、それとも自己解釈なのか。そんなのわからないからどうでもよくて。
やっぱり私にはこうして、朝から祐吾君に会えて、会話を出来るのが嬉しくて、それでいて泣きそうになる。
……片想いとは難しいこと。
答えなんてないこと。どんなふうに想えばいいかなんて、人それぞれのこと。
そして、やっぱり私は小さな世界で生きていて。
小さな世界に祐吾君を取り囲むことは不可能で。
それに気付いてまた泣きたくなって。
……脱却しなきゃな、なんて考えが頭をもたげる。
望みがないからとか、そういう逃げ道ではない。変わらなきゃいけないんだ。いつか、彼に胸を張って好きだと告げたいなら。
そうしなければ、いつまでもこうして小さな狭い世界で彼を見詰めることしか出来ない。