片恋綴


――――片想いに意味を見出だせなくなったのはいつからだったか。

どんなに好きでも、どんなに好きだと思っても手も握れないんじゃ、何の意味もない。好きだと告げられないんじゃ、何の意味もない。

なのに、わかっているのに何でやめられないんだろ。

こんなふうに自問自答をいつも繰り返しては悩む。

昔は一目見れたらいいとか思ったし、アパートのベランダから会話出来るだけで満足したりもした。でも、今はそれじゃ足りない。

もっと近くに行きたい、触れたい、好きだと言いたい、好きだと言われたい。

そんな想いが溢れてくる。

それなのに、気持ちを告げてしまって今の関係が壊れるのも嫌だと思う。

それならどうしたらいいっていうんだ。

……多分、疲れてきているんだと思う。

終わりの見えない片想いに。




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