片恋綴



「珍しくないよ。今でも二人でよく会ってるよ」

原崎さんの言葉からわかることは、二人は元恋人同士、ということだ。

「……理解しかねるな」

衣川さんは難しい顔をして二人の座るテーブルの横の席に座った。私も衣川さんと同感だ。

私にも元カレくらいはいるが、別れた後も二人で会うようなことはしない。

「ん? まあね、大喧嘩して別れたからね。そして、千歳ちゃんは当て付けに……」

「真宏」

千歳さんが凛とした声で原崎さんを制した。

「何度も言っているでしょう。当て付けなんかじゃないって」

私には割り込めない話が繰り広げられているので、私はそっとそこから抜け出した。私がいても邪魔になるだけ。

私はそう思いながらテーブルを離れた。


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