片恋綴
「貴様が義弟になるなど認めん」

「気が早いな、おい」

というか、振られる確率のが物凄く高いのだが。

──こいつは本物のシスコンだな。

俺は腹の中で溜め息を吐いた。

「まあ、あいつと付き合うよりは貴様の方がましだな。精々、健闘することだな」

あいつ、というのは恐らく美春の想い人のことを言っているのだろう。となると、結城は美春の想い人を知っているのだろう。

聞いてみようかと思ったが、やめた。

どうせなら裏でこそこそするより、正面切って行ったほうがいいと思ったから。それは確率云々の話ではなくて、素直にそうしたいと思ったのだ。

結城は言いたいことだけ言うと、さっさと去っていく。気が合うわけでもないし、好むところがあるわけでもない。それでも縁が切れないのは何だかんだでいい奴だからなのかもしれない。

「佐南さーん、行きますよー」

気付けば現場の片付けは終わっていて、真宏に大きな声で呼ばれた。そちらに目を向けると、その隣にはちょこんと美春がいる。

俺は今行く、とだけ答え、早足でそちらに向かった。





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