鞠香の楽園
「まーりーかー」

後ろから首元にだきつかれる鞠香。振り返るとそこには いつものことだからというか何というか 予想通り兄がいた。

「に 兄さん……」

「あいたかったよー鞠香!ああ俺の可愛い妹……!何か困ってないか 何でも話してくれよ」

「あ え……あの。兄さん……!」

付き剥がす。

「兄さんのパートナーって誰なんですか?」

「んー?パートナーかい?舞夢だよ」

「え 姉さん?」

「そう。偶然だったんだけど」

偶然……なのか?
明らかどこかで意図があったとしか思えないんだけど。でもまあ……姉なら安心か。

「姉さんは?」

「生徒会の用事」

「兄さんは行かなくて良いんですか?」

「俺ー?俺は……」

と鞠香に再び抱きつこうとした時だった。後ろからノートを丸めたもので叩きつけられる海架。そしてうずくまった。

「見つけたぞ海架……」

「ごめんね海架くん」

後ろにいたのは さっき壇上にいた生徒会役員のうちの2人だった。しかも1人は生徒会長の飛鳥優菜さん……。

「あら?あなたが鞠香ちゃん?」

飛鳥優菜さんがこっちをみた。

「え はい……」

「初めまして……海架くんの言ってたとおり可愛い子ね」

兄はわたしのことを話してたのか……。

「と言うことは 君が三木坂くんね?」

生徒会長は輝をみた。

「え はい……?」

なんで知ってるんだろう。
海架は生徒会長の腕をひっぱった。

「会長行くぞ」

海架が珍しく落ち着いた声で言うと あ……と手で口を隠す会長。

「え ええ。じゃあまたね」

3人は行ってしまった。またねって……なんで?
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