あなたのギャップにやられています
なんか出そうなんて思ってごめん。
心の中で空にそう謝ると、私にとってここは特別な場所になった。
ちょっとくらいなら出たっていいや。この星と引き換えなら。
でも、ちょっとだよ?
私が思わず手を空に伸ばすと、彼も同じように手を出す。
「やっぱり」
「えっ?」
「俺も初めて来たとき、こうして星を取ろうとしたんだ」
「えっ……あはは」
取れるわけもないのに、それでも届きそうな気がするほどの迫力。
彼もクスクス笑いながら、私の伸ばした手に自分の手を重ねた。
「きっと取れる」
「えっ……星?」
「うん。冴子と一緒なら、きっとどんな夢も叶う」
彼はそのまま私の手をギュッと握って、優しく微笑みかける。