あなたのギャップにやられています
「俺……冴子が信じてくれたおかげで、絵の道を捨てずに済んだ。
他の同期のやつらがどんどん商品化されて、すごく焦って。
でもたったひとり、冴子が俺の絵がいいって言ってくれたから、無難な作品を作ろうとしていた俺の考えが変わったんだ。
それで、今の成功がある」
彼の言うとおり、無難なデザインというものが確かにある。
こんな感じに仕上げれば、きっと売れるというようなパッケージデザインが。
だけど、木崎君の作りだすものは、決して無難ではない。
だから、賛否両論もある。
それでも、一度気に入ってもらって採用されると、リピーターとなってくれる企業がかなり多い。