あなたのギャップにやられています
「私……木崎君の絵、大好きだよ。いつか個展を開いたら真っ先に行くね」
「ありがとう、冴子」
星を見上げている私を彼が後ろからギュッと抱きしめるから、吐息が耳にかかる。
「好きだよ」
私も、この人がきっと好き。
あんなに素敵な絵を描く澄んだ心を持っていて、そして、子供のように夢を語る彼が。
その夢はきっと叶う。
信じていれば、きっと……。
私の体に回った彼の手に私も手を合わせる。
温かい。
彼の描く絵も彼自身も、すごくすごく温かい。
「寒くない?」
「ちょっと、寒い」
「おいで」
そう言ったかと思うと、私をくるっと回転させて胸へと誘う。
そして、さっきよりずっと強い力で私を抱きしめた。