あなたのギャップにやられています

「冴子、すごく好きなんだ。どうしても俺の彼女にしたい」

「木崎君……」

「うん、って言って?」


この星空のもと、彼の少し切なげな声が私の心を貫く。
少しの沈黙の後、私は思い切って口を開いた。


「――うん」



彼のこと好きなのかもしれないって思い始めたのは、まだ昨日のことだ。
それまで木崎君を恋愛対象としては見てこなかった。

だけど、私を一番理解し、真っ直ぐに見つめてくれているのは彼なんだと思う。
それは仕事だけじゃなくて……。


だって彼といるとすごく自然体でいられるし、なにより楽しいから。

こんな気持ちになったのはついさっきのことなのに、もう彼から離れられないなんて思ってしまっているのは、おかしいの?



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