あなたのギャップにやられています

「ちょっと!」

「あぁ、ごめん。理性が……」


あなた、理性なんて本当にあるの?
先輩がいた時の態度と全然違うじゃない! 

会社でキスなんて、怒ってやろうと思ったのにできなかったのは、雅斗の言葉があったからだ。


「冴子はここに必要な人だ」

「雅斗……」


彼は一番欲しい言葉をくれた。
デザイン部にいるのに、私はデザインに関してはド素人だ。
芸大を出ている人たちとは違う。


どれだけ事務仕事をこなしても、お茶を淹れても、こんなの誰だってできるじゃないってどこかで思っていて。

雅斗をはじめとしたデザイナーみたいに、直接利益も生み出すことができない私は、どこかで自信がなくて。

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