あなたのギャップにやられています
クライアントとの話し合いは、普通はデザイナー自身がする。
けれど忙しい雅斗が、なんとかデザインだけに集中できないかと考えたとき、彼の色使いや構成について熟知していた私は、クライアントとの話し合いを任せて欲しいと訴えた。
部長は「大丈夫か?」と心配していたけれど、雅斗は「冴子さんになら」と言って任せてくれた。
僕の作品を一番理解してくれているからと。
そして、自分の作り出す作品は私ものでもあるからと。
そんなメッセージを、雅斗は私に発信し続けていてくれたのだと、やっと気がついた。
「ありがとう、雅斗」
「やっとわかった?」
「――うん」