あなたのギャップにやられています

「フッ。冴子、こんなに赤くなって、可愛い」


彼がそう言いながら私の頬に触れるから、全身に鳥肌がたつ。


「ウギャーっ!」

「仕方ない。今日は止めておくよ。
冴子を泣かせたい訳じゃないし、俺の息子さんにも我慢してもらう」


目が点の私に、全く動じない彼。
会社の彼は、どこにいったの?


ゆっくりベッドから降りた彼は、「コーヒー飲みたいな」なんてひとりで余裕で。


「こ、コーヒー……」


しどろもどろの私は、なんとか起き上がってキッチンに向かった。


「えぇぇっと、ブラックですよね?」


ってなんで敬語になってるんだろう、私。


クスッと笑う彼が、「手伝おうか?」なんて言うから、私は首を横に振った。

距離をください。
今は、距離を!


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