あなたのギャップにやられています
「そうですね。それでは今日は」
雅斗がそう言って立ち上がる。
「時間が足りないのなら、手伝うぞ」
「いえ、やらせてください」
思わず口にした言葉にハッとする。
『やらせてください』って、それはきっと雅斗が決めるべきことなのに。
「そうか。それじゃ頼んだ」
だけど、雅斗もうなずいてくれて、なんだかとてもうれしかった。
私たちは久しぶりに6時に退社した。
いつもふたりで作業しているから、こうしてふたりで歩くのも不自然じゃなくて助かる。
特に交際を隠す努力をしているというわけではないけれど、ちっともバレる様子はない。