あなたのギャップにやられています

「あのさ、焦らすなんてテクニック見せつけなくてもいいからね。
ま、OK以外は却下だし」


なに? どうしてそんなに余裕なの?


「あっ、あの……その……」

「OK?」

「そんなこと急に言われても!」

「たく、急って、あんなにオーラ出してたのに。
ほんと鈍感なんだね、冴子は。
どうせ俺のこと、かわいい同僚くらいにしか思ってなかったんだろうけど」


バレテル! 
でもオーラってなに? なにも感じなかったわよ。


「なんか、木崎君いつもと違うよ」

「あはは、バカだなぁ。会社の俺なんて偽物だから」

「偽物?」

「みんな猫被ってるだろ? 冴子だってそうじゃん」


まぁ、まったく素を出しているとは言い難いけど……あなたは違いすぎるから!


「あのさ、純情なフリしておけばそんなに女は積極的には寄ってこない訳。
それに、どこか頼りない男って、そんなにモテないだろう?」


そうなのかな。
草食男子が流行りだなんて聞くけれど。
確かに、頼りないというのは大きな減点だ。

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