あなたのギャップにやられています

「それとなく誘われても、そういう男を演じて気が付かないフリをしておけば、あとあと面倒なことにはなりにくい。
万が一ストレートにモーションかけられても、僕は草食なんで興味ありませんって顔ができるの!」


なんで、そんなフリがいるの? 
木崎君、モテすぎて面倒だったってこと?


「俺が興味があるのは、冴子だけ。
他の女の誘いなんて、全然うれしくない」

「私!?」

「そう、私。ずっとそう言ってるだろう?」 


私が唖然と木崎君を見つめていると、すごく真剣な顔をした彼は、再び口を開いた。


「俺も男なんだけど」

「う、うん」

「そういう対象として見てくれない?」


すごく鋭い目をしてそう言う今の彼は、確かに男だ。
私のかわいい純情ボーイは、どこ行った?


「どうして、私?」

「どうしてって……危なっかしくて見てられないから。
俺が守ってあげないとって、思ったんだ」


守ってって……どちらかというと私が面倒を見ているつもりだったんだけど。



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