あなたのギャップにやられています

「木崎さん」

「えっ……」


ボーッとしていた私に、湯気の立ったビーフカツレツが差し出された。


「なにがあったかわからないけど、元気出しなよ」

「すみません」


マスターに涙を見られちゃったかな。


「ばんわー」


その時、入り口から百合ちゃんの声がした。


「あら、冴ちゃん。今日も肉食?」


もう皆で人のこと肉食、肉食って……。


「私も隣いいかしら?」


カツカツと音を立てるハイヒール。
こんなでかいサイズ、どこに売っているんだろう。

だけど、その身のこなしが、私よりずっと女らしいのが皮肉だ。


「マスター、私も肉」


肉って……ビーフカツレツっていうお洒落な名前がこいつにはあるのよ!

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