あなたのギャップにやられています

なにも言わずに自分のデスクに戻ると、すぐに森川さんがやって来た。


「冴子、あのさ」


きっと責任を感じているに違いない。
だけど、昨日のことはきっかけに過ぎない。
元々ゴリラは私のことが気にくわないのだ。


「森川さん、気にしないでください」

「そうだけどさ」

「仕事しますね」


平気な顔をした。
今の私は、森川さんに心配をかけないようにすることくらいしかできなくて。
泣きそうになるのをこらえながら、とにかくパソコンを立ち上げた。


私は雅斗の作品をパソコンの画面に並べて、だけど、なにをすることもできないでいた。

いつもならいくつかの配色パターンを出してみたり文字の配置を変えてみたりと、私にできることはしてみるのだけれど、そんな気力すらない。


そして、部長はいつまで経っても戻って来なかった。

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