あなたのギャップにやられています
「木崎君、部長は精一杯して下さったの。だから……」
「だけど、冴子さん。そんなんじゃ納得できないですよ!」
素の雅斗がチラチラ見える。
「でも、仕方ないの」
才能がないのは本当だもの。
そう言いかけて、言葉を飲み込んだ。
そんなことを口にしたら、彼はきっと怒るに違いないから。
だけどこの状況。
卑屈になるなと言われても……。
「僕は、絶対に納得できません」
捨て台詞を吐いて出ていこうとする彼を慌てて止める。
きっと人事かゴリラのところにでも行こうとしているのだろう。
「木崎君、ありがとう。でも……」
私は首を横に振った。
本当は決断力も行動力もある彼なら、きっとひとりで乗り込むだろう。
だけど、せっかく頭角をあらわしはじめた彼の足を引っ張りたくない。