あなたのギャップにやられています
すぐに大きな口で食べ始めた雅斗は、大きな唐揚げを私のカツ丼に乗せる。
「そんなに食べられないよ」
「んじゃあ、カツと交換。あ、冴子の食べかけがいいや、俺」
「変態!」
妙にテンションの高い雅斗と、乗り切れない私。
変な空気が部屋に流れる。
わかってる。
雅斗が私を気遣って、わざとそうしてくれているのが。
でも、一回落ちた気持ちっていうのは、そんなに簡単には上がるもんじゃないらしい。
やっとのことでカツを一口かじると、甘辛いタレが口の中に広がった。
いつもならおいしいはずなのに、訳もわからず泣きそうになる。
無理やりカツを飲み込んでしまうと、なんだかすごい視線を感じる。
ふと顔を上げると、雅斗が私をじっと見つめていた。
そして、私を見つめたままの雅斗は、ついさっきまでとは違う真剣な顔をしていて――。