あなたのギャップにやられています
「冴子、着替える?」
「あっ、ううん。そのままでいいや」
着替える気力すらないよ。
それだけ、異動の通達は私にとってショックだったのだ。
ジャケットを脱いだ雅斗は、ネクタイを片手で外しながらリビングにやって来た。
それそれ!
そのネクタイの外し方がたまらなくキュンとするのよ!
なんて自分を盛り上げてみたけれど、ちょっとキュンとしたくらいで、いつものドキドキがない。
ダメだ、枯れてる。
昨日の晩はあんなに雅斗に会いたかったのに、今日の出来事にノックダウンだ。
「それじゃ、俺もこのままでいいや」
私が差し出したお弁当のふたを開けている雅斗は、私のカツ丼まで開けてくれる。
やっぱり気がつく男だ。
「食べるぞ。いただきます」
「いただきます」