あなたのギャップにやられています
「私、ホントは……」
「ん?」
それでも口にするのをためらっていると、「言っちゃいなさいよ」と言われて気持ちが緩む。
「クソー、バカゴリラめ。
あんただって、大した仕事してないじゃん。
コネ使って他人を陥れるなんて百年早いっつーの。
絶対に見返してやる。百倍返しだ! バカヤロー!」
「いいわよ冴ちゃん、その調子」
百合ちゃんがはやし立てる。
「でも、ちょっと声が……」
マスターにそう言われて振り向くと、たくさんの視線が私に……。
小さく頭を下げてしょげると、今度は百合ちゃんが豪快に笑った。
「大丈夫よ。私の方が目立ってるから」
「あはは」
それもそうだけど。
「少しはスッキリするでしょう?
人間なんて皆黒いの。嫉妬もするし腹も立てるし、誰かも憎むし。
だけどそれでいいじゃない。皆そんなもんよ」