あなたのギャップにやられています

「木崎さん、お迎えだよ?」


マスターの声に入り口の方に視線を送ると、そこには雅斗が。


「こんばんはー」

「いやん、雅斗君!」


突如、声まで変わる百合ちゃんに突き飛ばされてよろける。
愛されてるね、雅斗。


「木崎君、食べる?」

「あー、今日はいいです。さっき弁当食べたんで。
冴子、ちゃんと野菜食べた?」

「あっ、シチューを」

「一応合格だな」


まるで、百合ちゃんの姿が見えないかのように振る舞う雅斗は、「帰ろっか」と私に声をかける。


「マスター、ご馳走様」

「またおいで」

「はい」


私と一緒についてきた百合ちゃんの目が、キラキラ輝いている。
これぞ恋する乙女ね。


「ちょっと冴ちゃん」

「ん?」

「今日は仕方ないから雅斗君とヤっていいわよ。
でも今度は三人って約束、忘れないで」

「はっ?」


突然私の腕を引いた百合ゃんが、耳元で囁きながらニタニタしている。
そんな約束してないから!

< 434 / 672 >

この作品をシェア

pagetop