あなたのギャップにやられています
「木崎さん、お迎えだよ?」
マスターの声に入り口の方に視線を送ると、そこには雅斗が。
「こんばんはー」
「いやん、雅斗君!」
突如、声まで変わる百合ちゃんに突き飛ばされてよろける。
愛されてるね、雅斗。
「木崎君、食べる?」
「あー、今日はいいです。さっき弁当食べたんで。
冴子、ちゃんと野菜食べた?」
「あっ、シチューを」
「一応合格だな」
まるで、百合ちゃんの姿が見えないかのように振る舞う雅斗は、「帰ろっか」と私に声をかける。
「マスター、ご馳走様」
「またおいで」
「はい」
私と一緒についてきた百合ちゃんの目が、キラキラ輝いている。
これぞ恋する乙女ね。
「ちょっと冴ちゃん」
「ん?」
「今日は仕方ないから雅斗君とヤっていいわよ。
でも今度は三人って約束、忘れないで」
「はっ?」
突然私の腕を引いた百合ゃんが、耳元で囁きながらニタニタしている。
そんな約束してないから!