あなたのギャップにやられています
「ねぇ、どこ行く? 飲むのがいやだったら、カラオケとか?」
「どこにも行きません。しつこい!」
私が少し声を荒げると、その男にグイッと手首を捕まれる。
そして、どこからかもうひとりの男が現れた。
「せっかく優しくしてあげてるのに、残念だね」
「そんなの頼んでないし」
「まぁ、気の強い女ってのも悪くないか」
「はーっ?」
気がつくと両脇をふたりに抱えられるような格好になってしまって、これはまずいと焦る。
誰かいないかと左右をキョロキョロ見渡したけれど、間の悪いことに誰も視界に入ってこない。
「ホテル直行しちゃう?」
そう言う男をギロッとにらむと、すごい力で引っ張られてしまう。
こんなのいや。
また雅斗を悲しませるの? 私は。
夜にひとりで出歩くなって言われてたのに、まさかこんなところでナンパされるなんて。