あなたのギャップにやられています

経理の奥田(おくだ)さんが訪ねてきて、仮払金の申請書について話した時……「市の美術館のチケットが手に入ったんですよ?」なんて話しかけてきた。


時々経理関係のことで奥田さんにお世話になっていて、その美術館のとある人物画が大好きなんだって話したことがあって、それで持ってきてくれたんだと。



その時、木崎君が顔をのぞかせて、「しばらく仕事が忙しいですからねぇ」なんて本当のことを指摘され、泣く泣くそれを受け取らなかった。


奥田さんは「いつでも大丈夫なんだよ?」なんて言ってくれたから、再び手を伸ばしそうだったけれど、「冴子さん」って木崎君にしては珍しく強い口調で名前を呼ばれて、やっぱり手をひっこめたんだ。


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