あなたのギャップにやられています
「部長!」
戸塚部長に指定された会社近くのレストランは、サラリーマンで込み合っていた。
「おぉ、すまんな。もっと静かなところがよかったか?」
「いえ、ここで大丈夫です。すごくいい匂いですし」
多少ザワザワしていた方が、話しやすそうだ。
部長と一緒に本日のランチを頼むと、部長はすぐに口を開いた。
「木崎のことだが」
「はい」
雅斗がなにも言わないから待とうなんて思ったものの、ホントは聞きたくて仕方がない。
「なにか、聞いたか?」
「いえ。なにも言わなくて」
「そうか……」
テーブルの上のお水に手を伸ばした部長は「うーん」と唸った。
「実は、イギリス行きにあまり乗る気には見えなくて」
「そう、なんですか?」
「ただ、先方は木崎を高く評価しているようで、是非にと言っているんだが」
私は小さく頷いた。
そうやって彼の作品が認められるのは、とてもうれしい。