あなたのギャップにやられています
「実は取引先のつてで、従業員を募集しているところがあってな。
すごく小さな画廊なんだけど、そこの運営社員。
小さい所だからなんでもやらないといけないが、ずっと絵に囲まれて絵の仕事ができる。
ベテランが辞めて即戦力が欲しいって」
部長の言葉に首をかしげる。
だから?
「冴子、いけるんじゃないかって。
絵のことだってわかるし、経理までこなせるし、英語だって習ってるんだろ?」
いやいや、そのうちできると言えるのは、最近やっとひとりでこなせるようになってきた経理だけですから。
「どこがいけるんですか?
私はデザイン部でだってアシスタントだったんです。
絵のことなんてわからないし、英語は中学レベルです。
あ、高校くらいまでは来たかな」
「でも冴子、木崎の絵を発掘したのお前だぞ?」
「それは……」
それは単なる偶然で、雅斗が頑張ったからよ。