あなたのギャップにやられています

会社を出ると真っ直ぐ家に向かった。

毎日リアンという訳にもいかないし。
お財布がね……。


部屋につくと、すぐに暖房のスイッチに手を伸ばす。
最近冷えるな。
こんなときは、ひとりの寂しさが身にしみる。

雅斗は冷え性の私を、いつも自分の手で温めてくれたっけ。
あ、手だけじゃなく全身で……。


私は暖房の前の定位置に座ると、コーヒーを飲みながら、部長にもらった雑誌を広げた。


付箋の場所を開くと、"木崎雅斗"の名前が目に飛び込んでくる。

そして、そこに掲載されていた写真は……。


「これ……」


慌てて記事を読み始めると、手が震える。
だって……。


その記事は対談形式で書かれていた。

絵のことだけじゃなくて、雅斗の人となりまで。

そこに掲載されていた絵は、あの賞を取ったものではない。
それは女の裸体だった。
しかも、どう見てもこれは、あの作品の完成版にしか見えない。

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