あなたのギャップにやられています
「コンテスト受賞、おめでとうございます。日本人では初快挙ですね」
『ありがとうございます。でも、審査員の好みにたまたまあっただけですから』
「まさか。この絵もコンテストに出されたものだとか」
『はい。本当はこっちが本命でした。結果的にもうひとつの方が受賞したわけですが』
「そうなんですか。こちらも素敵ですね。これは誰がモデルですか? 日本の方ですよね」
『えぇ、僕の大切な人です』
「ということは、恋人? 結婚を考えるような人ですか?」
『結婚……ですか。色々思うところはありますが』
「なんだか意味深ですね、その答え」
『僕は彼女の名字を変えたくなくて』
「変えたい、じゃなくて?」
『もういいでしょう、この話題』
その後も、その絵についてや、イギリスでの生活についてなど、様々なインタビューに答えていた。
けれど……『僕は彼女の名字を変えたくなくて』の一文から目が離せなくなる。
部長もこれを読んで、私に見せたんだと。