あなたのギャップにやられています

「だっ、ダメだよ。初デート行くんでしょ?」

「そんなのいつだってできるから」

「ダメ。私、楽しみにしてたから」

「そうなのか?」


私をやっと解放した彼は、首をかしげて私を見つめる。

そんなに見ないで。
ほんとに溶けるから!


よく見ると、本当に整った顔をしている。

屋内での仕事がほとんどだから日に焼けてはいない。
そこがちょっとマイナスポイントだけど、そんなもの焼けばいいし。

男の人にしてはスベスベの肌は、思わず触りたくなる。
そして、シャープな顎のラインに、割と大きめのパーツが並んだ顔。

メチャクチャ好みだわ。今更だけど。


この人と、すごいキスしちゃったよ。
今頃になってドキドキしだした心臓が破れてしまいそうだ。


「で、デート行こうよ。どこに行くの?」

「そうだな。続きは夜にしよう」


いや、そういうことじゃなくて……。

本当はもっと彼の描いた絵を見ていたかったけれど、とにかく今の現状を打破することにした。


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