あなたのギャップにやられています
普段内勤の多い私たちは、電車ばかりだ。
なのに、この技術はいったいどこで磨いたのかっていうくらい上手い。
縫うように車線変更をしているくせに、加速もハンドルさばきも緩やかだから、乗り心地は最高だ。
そして、狭い縦列駐車も一発で決めてみせた。
「どうした?」
車を止めた木崎君が、唖然としている私を見つめる。
「どうしてこんなに運転上手いの?」
「どうしてって、別に免許取るときから苦労したことないけど」
ゲッ。
自慢じゃないけど、私なんて何回落とされたことか……。
「木崎君って、運動神経いいんだね」
「意外だった? 絵ばっかり描いているインドアな男」
「え?」
「そういうイメージだっただろ」
えぇ、ビンゴです。