ブラッディ トゥ ナイト
「……は、はい」
僕と火茂瀬で倒れた文月を引きずり、フェンスの所まで連れて行く。
両手首をフェンスに固定する為に、文月のシャツに手を伸ばす。
真栄城は巫女装束を破かれたからだ。
「そうだ、梓さん。これ着せましょ?」
そう言って僕の作業の手を止めた火茂瀬は巫女装束を持っていた。
「……お前、それどーしたんだよ」
「アキバで買ってきました」
僕にもその考えはあったが、時間を掛けたくなかったので実行しなかった。
それに殺人の手口を模倣する事が重要であり、僕にとって服装は重要ではなかったからだ。