蕾は未だに咲かないⅠ


雨の音が聞こえる。
破壊を促す音が聞こえる。
心臓が波打つ音が聞こえる。


ざあ、と鳴る音が何なのか、分からない。


「それじゃあね、明津ちゃん。」


トン、という音で我に返った。どうやら通話は終了し、輔さんは急用が出来たらしい。幸運と言うか何と言うか。


とにかく、あたしはもう此処に居座るつもりはなかった。



< 44 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop