永久に。
「慧先生…行っちゃうんだね…」

「泣くなよー、別れづらいだろー」

下校時刻が近付き、帰らなければならなくなったけど、帰りたくない…

明日から先生はいないんだもん…

「しかたないコだなー、美桜は。ほら、手出しな」

先生の言葉に、手のひらを差し出すと、

「逆」

って言って、先生はわたしの手を裏返した。

けど、涙でぼやけて見えなくて、ゴシゴシ、制服の袖で目を擦る。

そして、手を見ると…




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